５の宇宙ロケット型水ロケットはボトルの数が多いため、自転車用手押し空気ポンプでは空気の注入が大変なので、コンプレッサーであらかじめエアータンクに空気を９気圧の圧力で蓄えておき、発射場でエアータンクの空気をロケットに注入する形を取りました。そうするとどうしてもエアー供給のホース類、タンク類等が大がかりになり一般的ではありません。しかし多くのことを学びました。
- 多くのロケットの集合体である宇宙型ロケットの場合、システムが計画通り作動するにはシステム全体の動作の誠実さがものすごく要求されることがわかってきました。（たとえば、多くのロケットの接合部分のどれか1カ所からでも空気漏れが生じていれば、空気圧は全ロケットに伝わっているため、減圧につながり分離するロケットが全部暴発しています。また単純な1段式や2段式ロケットの場合、仮に発射レバーのワイヤーが外れてもスタートに失敗した場合でももう一度やり直せばいいだけです。しかし、宇宙ロケット型水ロケットは3基のうち1基が動作せず、2基は作動する、減圧も始まる、という結果になり横に向いた上段から飛び出す等、非常に怖い事故につながります。実際のロケットの発射の場合、秒読みをしながら各動作のチェックをしていく、という打上げシステムがとられることが少しはわかったきがしました）
そして、ドカーンと一気に飛び上がってしまうロケットから水を噴煙のように噴射しながら大空へゆっくりと舞い上がり、ダイナミックに加速しながら下段を分離しながら飛んでいく多段式ロケットの夢に一歩近づいたと思っています。
- 大型水ロケットは実際の大型ロケットの飛行により近くなる。
大型水ロケットはより本物のロケットの「質量比」に近くなります。そのため飛行の形も似てきます。例えば空質量（推進剤なしのときの質量）が300gの2連式水ロケットに推進剤の水を1200g入れたとします。スタート時の全質量は1500gとなり、噴射終了時の質量は300gとなるから
- ［質量比］＝［出発時の質量］/［噴出終了時の質量］＝1500g/300g＝5.0
となります。この値は世界最初の近代型ミサイルであったドイツのＶ−２ロケットの質量比が3.1出会ったに比べずっと優秀です。このことはPETボトル水ロケットがいかに優秀な素材で出来ているかを物語っています。
※ 一般にロケットの速さは噴射速度が一定であれば、この質量が大きいほど噴射終了時の速度が大きくなります。重力などの力を受けない空間であれば
- ［最大速度］＝［噴射速度］×logｅ［質量比］
となります。
